ChatGPTで沸き立つ、今日この頃、私も「これはすごい!新しい時代だな」と時代の変化を大きく体感しました。
かなり初歩的なミスではあったけど、つらつら要領を得ない質問とコードも適当にペタッと貼って質問するとど真ん中来るような回答..。
そうだ、型定義がおかしかったんだ…😭
これはもう相棒!! pic.twitter.com/0vMy6AmpYR— mito@『デザインのネタ帳 プロ並みに使える文字デザイン』発売中 (@mito_works) March 2, 2023
ということで、これからの未来を考えるにあたって、一度過去を振り返ってみようと思い、アルビン・トフラーの「第三の波」という本を読みました。
- 時代の移り変わりを体系的に理解したい人
- 時代の変化で人々の生活や考え方、価値観がどう変わったか知りたい人
それでいってみましょう~。
Contents
テーマ
人類の歴史をイノベーションという観点から総合的な考察でひも解いています。
世界はけっしてまっとうな道をはずれて、狂気のなかをさまよっているわけではなく、一見したところ無意味な出来事が次から次へと不協和音を立てているようでありながら、実は、それらの背後に驚くべき傾向、十分希望を持たせるに足る傾向が読み取れるというのが本書の主張である。本書を通じて私は、そうした希望につながる傾向について語ってみたいのだ。
過去の時代のイノベーションを考察し、未来来るべきイノベーションの波をポジティブに考察しています。
農耕時代のキーワード(第一の波)
約1万年前の農耕時代。人々はどんな生活をしてその前の狩猟時代とはどんな変化でくらしていたのか?
食料を探すことに大半の時間を使う生き方から計画的に生産する時代へ
それによる変化として、
- 一か所に定住するようになった
- どこにだれが住んでいるということも認識できるようになり、情報交換をするようになった
- エネルギー源は、人間や動物の筋力と、太陽熱、風力、水力といった自然の力
- 全て再生可能なエネルギー源で循環していた
- 自ら生産し、自ら消費するスタイル
- 計画的に生産できるようになったことから余暇が生まれ、文化が生まれた
産業時代のキーワード(第二の波)
約200年前の産業時代。
再生不可能なエネルギー源を使用し、急激な経済成長を実現させた。
分業化
家族単位で生活をし、小さな共同体の中で生きていた人々ですが、この時代、教育は学校、看護は病院、仕事は工場など人々は画一的に否応なしに分けられるようになりました。
必要な労働力は家庭から工場へ移動したため、大家族である必要がなく、核家族化が進みました。
集中化
人間の筋力やどこにでもある自然エネルギー、資源、燃料を使っていた時代からほんの数種の特定の場所にあるエネルギー、資源(化石燃料、石炭)へ移行しました。
また、都市に工場や政治的な機能など一点集中としてすべてが集められうようになりました。
同時化・同質化
仕事=工場でものを生産する、つまり機械と一緒に機械のリズムに合わせて機械のように働くことを求められていた時代。大事な価値観は以下3つに集約されています。
- 時間厳守ができる
- 反復作業に耐えられる
- 服従(上司には逆らわずに黙々と働く)
また、生活スタイル、人生における変化もみな似たり寄ったりになり、この時代からラッシュや受験戦争が生まれました。
規格化
人もどんどん同じようなライフスタイル、同じようなスキルセット..と機械のように同質化していった時代、物の価値も規格化されていきました。
- 金銭という単位での取引
- 大きさ、長さなどの統一的な単位
- 作業工程のマニュアル化
- 製品の規格化
これにより物事はどんどん効率的に処理され、意思決定の時間は短く、生産できるようになりました。
極大化
上記、規格化による効率化はどこにつながっているか?というと「大量生産大量消費」。「大きいことはよいことだ」という価値観につながっていきます。
第二の波の問題点
第二の波の問題点として
生産者と消費者が分断された
農耕時代、人々は基本的に自給自足で過ごしていました。
産業時代になると、大量の食糧、日用品、サービスがほとんどすべて売買や物々交換を目的として、生産、提供されるようになります。生産者自身とその家族が自分で消費するためにだけ物を作るということは事実上なくなりました。
消費者はできるだけ安い製品を求め、生産者は高い賃金を求める。また、一人の中に生産者と消費者という2つの相反する性格を備えた人間を作り出したと著者は書いています。
- 個人的な満足は後回しにし、他者貢献に徹する生産者
- 慎重に行動するよりは、欲望に身を任せて個人的な楽しみを追求する消費者
男女の役割の分離もこの時代に生まれたといわれています。
GNPなどの数値は経済活動のみにフォーカスされており、生きるための本質的な活動は除かれている
GNP(国内外で生産した財やサービスによって得た収入の総額)という新たな指標で、評価し、この数値を上げるために競争を激化させていきました。
その結果、給与の対象にならない、子育てや家事、大量生産大量消費の背後にあった生態系の破壊や公害病などは軽視する結果となります。
少数のエネルギー源を使い、再生不可能な商品を大量生産大量消費する。その結果一部に富が集中するという社会構造は、地球全体のマクロな視点で見た際に、あまりに犠牲が大きいと感じます。
第三の波(情報時代)
インターネットの登場により、産業時代のカギを握っていた「移動」が不要になりました。また、情報に関しても、マスメディアから大衆へという一方通行に供給されるものではなく、相互に受発信するものへと変化をしました。
消費者と生産者の境界をあいまいにし、共通点よりも相違点が望まれる時代
多様化
仕事での必須要件であった、通勤が通信に変わったため、様々な働き方ができるようになりました。〇〇の時間に合わせて動くという必要性も軽減されたためフレックスタイム制という新しい概念も生まれました。
家族形態を含めた人生設計についての価値観も多様化しています。
生産者=消費者
通信網が発達し、例えば冷蔵庫が壊れた場合、修理窓口に連絡し、窓口の人のレクチャーに従い、自分で修理をしたり、ガソリンスタンドでは自分でガソリンを入れ、ATMでは自分でお金を引き出す。
産業時代では考えられなかった、消費者でありながら、生産者の仕事の一部も担うというようになってきています。
複雑化
人々の仕事や生活が多様化した結果、求めるもの(商品)についても多様化します。
ということは、大きな工場も、一か所に集中させる大量の労働力も不要となります。
材料に無駄がなく、適切な規模がよいという価値観になります。(small is beatiful)
共通点より相違点
多様化した人々の要望、業務は複雑化を極めるようになり、求められるスキルも、みんなと同じことが同じようにできる人ではなく、人と違う視点でものを見て、アイデアを出せる人や人と違うものを持っている人が重宝されるようになります。
変化を表にまとめると
さいごに
過去から未来へマクロの視点でとらえるとすべてが線となりつながること、また、一つの産業や文化が生まれる背景にはそこには動力源(エネルギー源)の変化があるのだなと思いました。
今回は、「イノベーションの歴史を知りたい、ターニングポイントを知りたい」という目的ドリブンで本を読んだのですが、面白いくらいにスラスラ読めました。
世界史とかカタカナ多いし、苦手だな…と思っていたのは、枝葉ばかりを見ていたからかもしれません(笑)。